今から2年前、大きなバブルが弾けているとの見方にほとんどの人が同意していた。 超低金利時代が終わりを迎えようとしており、ほとんどすべての資産クラスの土台を揺さぶっていた。株価は急落し、国債は大打撃を受け、暗号資産も大幅安に見舞われた。 ウォール街で不吉なことばかり言う予言者たちは、それ見たことかと大喜びした。 それまでの10年間のコンセンサス――インフレは死んだ、低金利が定着したという考え――は以前のどの投資ブームの集団思考にも負けないくらいバカげたものに思われた。 振り子は熱狂から懐疑へ、リスクを取る投資から現金の退蔵へ、貪欲から恐怖へと振れようとしていた。振り子が元に戻るには長い時間がかか