ラマダンとは、イスラム教の暦(ヒジュラ暦)で9番目に当たる月の名称です。預言者ムハンマドが最初に神(アッラー)の啓示を受けた「聖なる月」でもあります。この期間中、イスラム教徒は日の出から日没まで、水を含めた一切の飲食を禁じられています。喫煙や性交渉も禁止。厳密にはつばを飲み込むことも許されません。 これは、「日々の礼拝」や「貧しい人への施し(喜捨)」などと並ぶイスラム教徒の果たすべき5つの義務の1つです。イスラム教の聖典・コーランには、断食をすれば「真に神を畏(おそ)れかしこむ気持ちが出てこよう」(中村廣治郎著「イスラム教入門」)とだけ記されています。断食の苦しみを通じて、神の恵みに感謝すると