筆者の木村朗子氏は、津田塾大学学芸学部多文化・国際協力学科教授で『源氏物語』の専門家。NHK大河ドラマ『光る君へ』の主人公である紫式部が生きた時代、政界では藤原道長という実力者が“摂関政治”で権力を掌握していった。 道長は自分の娘を天皇の后にし、娘が産んだ男児を即位させた。そして自身は摂政となり、天皇に代わって政治を執り行った。姻戚関係で権力を握っていったわけだ。 もともと、平安宮廷は漢籍に詳しい学者筋の貴族たちが天皇の補佐役にあたっていた。ただ、学者筋の貴族の多くは、貴族としての家格はそれほど高くなく、学問の力で政界への道を切り拓いていった。その伝統を塗り替えたのが“摂関政治”だ。 藤原氏が
【『光る君へ』の時代背景を知る】『源氏物語』はいかにして書かれ、読まれ、道長にも影響を与えたか
【ブックレビュー】『紫式部と男たち』が明らかにする当時の価値観
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