ワシントンやフランクフルト、ロンドンの木々が葉を出す頃までに2020年代のインフレ危機が完全に幕を下ろす見込みは十分にある。 台風の目はすでに過ぎ去り、ここ数カ月間の物価上昇率は中央銀行の目標以下にとどまっている。 例えば、昨年5月から11月までの半年間における消費者物価上昇率(年率換算)は、英国がわずか0.6%で、ユーロ圏が2.7%だった。 変動の大きいエネルギー・食品を除いたコアインフレ率(同)は、同じ半年間でともに2.4%だった。 米国では、これに相当する指標――米連邦準備理事会(FRB)が注目する個人消費支出(PCE)のデフレーター――はコア指数ベースでわずか1.9%で、総合指数ベース