(林田 直樹:音楽ジャーナリスト・評論家) 古典的名作には、時代を超えて生き続けるキャラクターたちがいる。シェイクスピアなら、ハムレットやリア王、ロメオとジュリエットなど。こういった登場人物たちは、あまりにもリアリティをもった深みあるキャラクターであるがゆえに、原作を離れて、あたかも自らの意志をもつかのように、この現代社会の中でも動き回ろうとする。 それをとらえて形にしたのが、原作を翻案したスタイルの新たな演劇やオペラである。この10月から11月にかけてロングランで新作初演された「レイディマクベス」もその一つだ(10月7日よみうり大手町ホールにて所見)。 原作では稀代の悪女とされているマクベス夫
「マクベス」と「ドン・カルロ」、演劇やオペラで進む現代的再解釈が問うもの
林田直樹の劇場から覗く世界(12)演劇・オペラから消えつつある「強い男」
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