次期大統領選まで1年を切った米国では、ここへきて移民問題の注目度が高まっている。「タイトル42」が2023年5月に失効して以降、米国南部の国境を越える不法移民*1が増えているからだ。タイトル42とは、トランプ前政権が新型コロナウイルス対策を理由に導入した不法移民の入国制限措置だ。 タイトル42の失効以降、ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなどの街角に溢れかえる不法移民のニュースが連日報じられている。背景には、こうした移民に関する規制が緩い都市と国境を接する州との対立がある。 例えば、メキシコとの国境沿いのテキサス州では、不法移民がそのままバスに乗せられて、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスとい