9月1日に公表された8月の雇用統計に市場関係者は色めき立った。非農業部門の就業者数は前月に比べて18万7000人増加したものの、「過熱状態にあった雇用の勢いは鈍っている」と評価したためだ。「雇用市場が正常化したことで物価高の圧力となっていた賃金の上昇が収まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが終了する」との期待から、株式を始め金融市場は好調さを維持している。 だが、米国経済の先行きを楽観視してはいけない。 米国の国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費に陰りが見えているからだ。 米国の消費者は高インフレの下、新型コロナのパンデミック期に積み上げた2兆ドル(約290兆円)以上の貯蓄を取り
米国にたまるマグマ、貯金は減りカード債務は過去最高、格差拡大が貧困層直撃
「リセッション入りしない」という楽観論は危ない
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