「おいおい、それはちょっと……!」 心あるクラシック音楽ファンであれば、身に覚えがあるはずだ。月刊誌「レコード芸術」の誌面を広げて眺める。気になるCDの批評を読む。なるほどと頷くこともあれば、反発を覚えて思わず声を上げることもある。 当のアーティストやレコード会社の制作・宣伝担当者にしてみれば、心を込めて録音したCDを上から目線でばっさり貶されれば、相当なストレスを感じるに決まっている。ファンだって同じだ。 だがその分、この雑誌は利用価値もあった。 そのCDが「レコード芸術特選」のお墨付きをもらえれば、それは誇らしげに演奏家のプロフィールに書き加えられる。その特選盤の中から年に一度めでたく選ばれ
サブスクで失われる聴き手の敬意、「レコード芸術」休刊が意味するもの
林田直樹の劇場から覗く世界(10)「レコ芸」の波紋とクラシックCDのゆくえ
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