生麦事件は、文久2年8月21日(1862年9月14日)に起こった英国人殺傷事件である。今年は2022年なので、ちょうど160年を迎えたことになる。教科書に記述されるほどの大事件にもかかわらず、単なる外国人の殺傷事件として片づけられている。筆者は、この実態に大きな違和感があり、極めて残念な思いである。 生麦事件は、その後の歴史に多大な影響を与えており、歴史的な大転換と言える大事件であるが、残念ながら軽視されていると言わざるを得ない。今回は事件勃発から160年目となる生麦事件について、事件はもちろんのこと、事件前後の状況についても、詳しく見ていきたい。そして、どのような影響をその後の幕末史に与えた