4K、5G、ARを使う作業支援システムを開発

KDDI総合研究所、KDDIとJALと共同で検証を実施

栗原 雅/2019.4.16

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「VistaFinder Mx」の開発を手掛けたKDDI総合研究所ソフトウェアインテグレーショングループの菅野勝グループリーダー(左)と辻智弘研究マネージャー(右)

 情報通信技術(ICT)の研究開発を手掛けるKDDI総合研究所は2019年3月、4K映像と5G(第5世代通信)、AR(拡張現実)技術を用いたシステムを開発し、KDDIと日本航空(JAL)と共同で、航空機の整備作業の遠隔支援を想定した検証を行った。

 KDDI総合研究所が開発した作業支援システムの名称は「VistaFinder Mx」。4Kカメラで撮影した作業現場の映像はリアルタイムで遠隔地のモニターに表示される。指示者側で詳しく調査すべき箇所や作業内容をモニター上で指示すると、その内容が現場の作業員が装着したスマートグラスや作業者が携行するタブレット端末画面に表示される(図1)。AR技術を活用した遠隔作業支援システムは珍しくないが、4K映像のリアルタイム伝送を可能したシステムは世界初だという。

図1 AR(拡張現実)技術を用いた作業支援システム「VistaFinder Mx」を活用した作業のイメージ。指示者側から2つのケーブルの入れ替えを指示すると、それが作業者側のスマートグラスに表示される(出所:KDDI総合研究所)
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 作業現場からの高精細映像により、作業対象機材の表面にできたうっすらとした傷や、表面に付着したわずかな水滴も正確に確認できるようになる。ビルや橋梁といった大型建造物の外壁検査や、航空機や電車などに使われる精密部品の分解・整備などへの応用が見込まれる。

5Gであれば4K映像をリアルタイムに滑らかに送れる

 高精細な4K映像を利用する利点は、保守や検査の対象機材の状態を詳細に把握できる点にある。ソフトウェアインテグレーショングループの辻智弘研究マネージャーは、「解像度が低いとモニターに表示された映像のノイズなのか、検査や確認を要するような傷なのかを見分けることが難しいが、4K映像ならはっきり分かる」と話す。VistaFinder Mxを試用した企業の担当者からは、「肉眼で確認するよりも見やすい」といった声が挙がっているという。

 4K映像にすることで、システムの使い勝手も高まる。カメラ位置を変えずに確認したい箇所を拡大しても高精細に把握できるのだ。従来拡大が必要な場合はカメラを近づける必要があった。