大手門付近から見る大手町
東京のオフィス街は、ICT化、震災、環境対策と多機能化を目指し、たゆまぬ機能更新を進めている。東京五輪・パラリンピックを見据えたドラスティックな変化、そしてその後のオフィス街の未来はどうなるのか? 今回は首都の顔として、日本経済の中心拠点としての役割を担い、近年は訪日観光客も魅了している大手町の大改革を見ていこう。
江戸時代は大名屋敷が並ぶ政治の中心地
かつての江戸城正門前に位置し、江戸時代には大名屋敷が立ち並び、政治、文化の中心として栄えてきた大手町。江戸城陥落後、正門が皇居の大手門と呼ばれるようになったことが、「大手町」の名前の由来と言われている。
江戸時代の大手町周辺を示す江戸切絵図の御江戸大名小路絵図(国立国会図書館所蔵)
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関東大震災以降には官公庁の霞が関移転が進み、金融をはじめとする多様な企業の本社が進出した。ビジネスの中心地として発展し、日本の高度経済成長期を支えてきたのだ。近年では魅力ある街づくりを目指し、イベントを積極的に開催、飲食店やショッピングスポットを充実させたことにより、観光目的の来街者も急増している。
一方で建物の老朽化が進み、グローバル化、高度情報化への対応の遅れ等が懸念されてきたことも事実である。そこで、企業の業務活動をスムーズに進めながら建物を連鎖的に建て替える「大手町連鎖型都市再生プロジェクト」がスタート。グローバルビジネスの戦略拠点として街を生まれ変わらせるべく、オフィスビルの建て替え、インフラ整備が着々と行われている。