「AI(人工知能)が人間の仕事を奪う」と言われるようになって久しいが、昨今AIは文章を書いたり芸術作品を生み出したりといった、いわゆる「創作活動」まで行なえるようになってきていることをご存知だろうか。

例を挙げると、2017年1月からサービス開始となった、日本経済新聞社の「決算サマリー」(※1)。このサービスの特徴は、企業の開示情報をAIが自動編集して決算情報の要点をまとめた文章を作成し、配信まで自動で行なってくれる点にある。

また最近では、文学としてはまだまだこれから、という段階ではあるが、Botnik Studios(※2)というコンテンツクリエイター集団がファンタジー小説の名作「ハリー・ポッター」のシリーズ7作をAIに学習させ、ハリー・ポッターの新作を書かせる実験が話題にもなった。

このように、AIが人間の代わりに「創作」する場面が少しずつ増えてきている。そうした際にその作品は「著作物」となり得るのか。そして、もし著作物となった時の「著作権者」は誰のものになるのか。

自動運転の技術が車に取り入れられた際にも、事故が発生した際には保険をどのように適用するのか、免許の「減点」はどうなるのかなど、AIと人間の境界線は実用化に向けて目をそらせない議論だ。

今回は、人間とAIが創り出したコンテンツのあり方を考察していこう。


※1:決算サマリー
※2:Botnik Studios