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イノベーション
2017.08.04

生産性を向上させる“都合のいい働き方”
“目的”ではなく“手段”とせよ。テレワーク導入が遅れる日本企業

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新型インフルエンザの流行がテレワーク導入のきっかけに?

まだまだ少数派ではあるものの、国策として進めていることもあり、テレワークに対する認識は変わってきている、と國井氏は語る。

「もともと日本におけるテレワークは、女性が結婚や子育てで退職してしまうことを防ぐという目的で始まった働き方なんです。企業が女性社員のために作った福利厚生策という面が強く、20世紀の初めまでは政府のテレワーク推進ポスターでも、母親が仕事をしながら赤ちゃんを抱いているようなイメージのものが少なくありませんでした」

長らく「テレワーク=女性のもの」というイメージが定着していたが、2006年発足の第一次安倍政権は「テレワークで生産性を高める」という政策を打ち出したという。

「当時のテレワークの概念からすれば、突き抜けた方針だったのですが、歴代の内閣の中で企業の生産性という観点からテレワークを推奨したのは安倍内閣だけ。現在の第二次安倍内閣でも、そのスタンスを保ちながら力を入れているので、広く国民に認識され始めたとも考えられます」

その後、新たな働き方としてワークライフバランスが注目を集めるなど、人々が“働き方”そのものに目を向けるようになった2009年。テレワークの導入企業率が19.0%にまで急上昇した時期があったという。

「じつは、2009年は新型インフルエンザが世界的に大流行した年なんです。当時は、新型インフルエンザの情報が少なく、多くの企業が『インフルエンザ患者が家庭にいる場合も出社停止』という措置を取り、それでは会社が回らなくなってしまうことで大騒ぎになりました。しかし、もともとテレワーク制度を導入していた企業は在宅勤務で乗り切ったと話題になったのです」

この一件から、テレワークの制度とツールを導入する企業が増加。その翌年には12.1%まで比率が下がってしまったが、新型インフルエンザが「テレワークに男女は関係ない」という考え方が広まるきっかけとなった。

「テレワークは女性のものという認識は変わりつつありますが、いまだにその見方を持っている人が多いことも事実。普及と定着には時間がかかるかもしれません。何より、テレワークを導入することが目的になっている企業が多く、それが普及を遅らせている可能性もあります」

テレワークの導入は“目的ではなく手段”と捉えることで、導入のハードルを下げることができるはず、と國井氏は語る。

「テレワークは生産性を高めたり、従業員が働きやすい企業をつくるための、ツールのひとつなんです。テレワークが企業に適していれば導入すればいいし、適していなければ導入しなければいいだけの話。それぞれのワーカーにとって、都合がいい働き方を選ぶことが、理想の働き方といえるのかもしれません」

まずは、すべての働く人たちが個人に合った働き方を選べる社会を目指すことが、テレワーク普及のカギとなる。

JBPRESS

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