「赤信号みんなで渡れば怖くない」は、いうまでもなくビートたけしを一躍人気者にしたギャグである。極端にいえば、このギャグ標語ひとつで、ビートたけしはこんにちの地位を築いたといっていい。 日本人はこのギャグが大好きである。なにかというと、いまでもこの言葉は、人間の本質を衝いた言葉、あるいは日本人の本質をいいあてた言葉として引用される。 逆にいうと、日本人は、赤信号をひとりで渡るのは怖いのである。けれど、ひとりが規則を破ると、追随するものが現れる。 たとえば開かずの踏切で、いい加減しびれをきらしたひとりが、電車の一瞬の隙間を狙って遮断機をくぐって渡ると、「あ、いいんだ、じゃおれ(わたし)も」と、どっと