地下鉄サリン事件から30年目の3月20日を迎えました。 当時10歳だった子供も40歳、そこそこ分別のついた年配だった人は社会の中高齢層となり、現在の若い世代は「サリン」も「オウム」も実感を持っては知りません。 ここ10年ほど、私が訊ねる母集団は東京大学生など極端に偏ったものではありますが、「諸君と同じ教養学部生が、ごく普通に暮らしていた延長で起きた事件」として話すと、一様にびっくりします。 オウムに実感がない度合い、風化は否みようがありません。 2018年7月、「麻原彰晃」こと松本智津夫以下、13人のオウム事犯が最高刑で命を落として以降、私はオウム関連の筆を折ると「アエラ」誌上で明言し、少数の