東京・上野駅の公園口改札を出るとすぐ右側に、宙に浮いた碁盤のようなユニークな形状をもつ建物が見えてくる。それが、1959年に完成した国立西洋美術館である。第二次世界大戦後、フランス政府に差し押さえられていた絵画類(松方コレクション)が返還されるにあたり、それらを収蔵・展示する美術館が必要になった。当時、パリを拠点に活躍していた世界的な建築家、ル・コルビュジエに設計を依頼したものだ。 それを「地元発展の起爆剤にしたい」と、アメ横商店街の会長が旗ふり役を買って出て、世界遺産まで漕ぎついた。正式な登録名は、「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」(登録2016年、文化遺産)とかな
傑作なのに2度も落選したル・コルビュジエの近代建築、対象になる物件は同じでも「当落」がある世界遺産の不可解さ
誰かに話したくなる世界遺産のヒミツ(4)「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」
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