東京都八王子市にある八王子城は、南関東を代表する戦国時代の山城として国史跡に指定され、また日本城郭協会による日本100名城にも選定されている。この城を築いたのは、小田原北条氏一族の重鎮である北条氏照だ。 前稿「東京近郊の問題な城を歩く」シリーズ「滝山城」(9月10日)でも説明したように、北条氏照はもともと滝山城を本拠としていたが、のちに八王子城を築いて移転した。移転の時期については諸説あるが、天正15年 (1587)頃と考えるのが妥当だろう。天正18年(1590)、豊臣秀吉が関東に侵攻した際、八王子城は前田利家・上杉景勝・真田昌幸らの大軍に攻められ、激戦の末、陥落して廃城となった。 城の遺構は