戦国時代、日本全国には土造りの城が何万と築かれたが、東京都八王子市にある滝山城は、そうした土の城の最高傑作といえる。なぜ最高傑作なのかといえば、まず城域が広大で、かつ土塁や空堀が巨大、しかも縄張が複雑だ。 いや、広大な城域に無数の曲輪を複雑に配する城、目を見張る巨大な土塁・空濠を擁する城なら、全国にはもっと凄い城がある。滝山城の凄さは、そこではないのだ。縄張が緻密かつ頭脳的なのである。 通路を効果的に折り曲げたり、分岐・合流させた上に、枡形虎口・馬出・横矢掛りといった技巧を駆使し、広大な城内を迷路化している。侵入した敵を分断して、狭いところ、狭いところへと追い込み、局所で数的優位を作り出して封
土の城の最高傑作・滝山城、緻密かつ頭脳的な縄張り、アクセス良好な城の重要な問題点とは?
東京近郊の「問題な城跡」を歩く(6)滝山城
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