日本政治は現在危機にある。内閣支持率は喫水線を下回って久しい。 岸田文雄首相の8月14日の自民党総裁選への不出馬表明は、そうした現状を打開するべく行われた。と同時に、それまで「閉じられてきた」総裁選をめぐる動きが顕在化し、「パンドラの箱」を開けるということにつながった。 なぜこれを、「災いの引き金」の例えであるパンドラの箱と言い表すのか。現状を紐解きながら見ていきたい。 この首相の不出馬表明は、これまで「派閥の解散」や「首相の政倫審出席」といったサプライズを行ってきた岸田首相の「最大のサプライズ」といってよい。 その一週間ほど前の8月6日には、岸田政権を支えてきた「キングメーカー」である麻生太