今回は、新潟県五泉市にある村松城という、小さな平城の話を書こう。 村松城という城の名は、よほどの城マニアか、地元の人でなければ知らないに違いない。新潟県の主な城を紹介したような本でも、普通は採り上げられていない。けれども筆者は、なかなかに面白い、一度は訪れてみる価値のある城だと思っている。村松城を築いたのは堀氏という大名であるが、築城に至るいきさつが面白い。 豊臣政権の傘下に入った上杉景勝が越後から会津に転ずると、秀吉は堀秀治を越後に封じた。この越後堀氏はほどなく内訌によって一旦絶えてしまうのだが、傍系にあたる堀直寄が大坂の陣の戦功によって、越後の長岡に、ついで村上に10万石で封じられた。 こ
小大名だった堀氏が築いた小さな平城・村松城、名城でも堅城でもない城の、他にはない魅力とは?
江戸時代に約20家しかいなかった「城主格」が築いた、地元の人しか知らない城
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