神奈川県西部に位置する秦野市(はだのし)は、丹沢の山裾にひらけた小さな盆地である。その盆地の北寄りあたりに、波多野(はたの)城址と呼ばれる場所がある。平安時代末期から鎌倉時代にかけて、波多野荘を地盤とした波多野一族の本拠地とされる場所だ。 小田急線の秦野駅北口から藤棚方面行のバスに乗り、東農協前で降りると、小学校の方へ入る道の所に標識がある。これに導かれて歩けば、城址はすぐだ(城址には駐車場がなく駐車は自己責任になるので、現地を訪れるならバス利用をお勧めする)。 波多野城址は、丹沢の山裾が金目川によって開析されてできた南北300メートル、東西100メートルほどの独立した台地である。西側には金目
波多野一族の本拠地とされる波多野城、城らしい痕跡は確認できない「幻の城」が根付いた理由
東京近郊の「問題な城跡」を歩く(5)波多野城
Premium会員登録のご案内
Premium会員の特典
- プレミアム限定の記事配信
- プレミアム専用記事レイアウト
- 印刷に最適な画面提供