所属する官司によって、何をやって、何をやってはいけないか、仕事が決められています。もうちょっと後、藤原道長の時代になると、わりと自由裁量ができるようになるんですけれど。公卿と呼ばれる人は国家政策を決めるわけですが、その下に実務官人がいっぱいいて、手伝いといいますか、いろんな資料を揃えます。さらにその下、六位以下の下級官人たちが彼らの雑用をする。ということで、身分によって、職種によってきっちりと決められています。 問題なのは、今と違って仕事が公務員しかないこと。僕らだったら、この会社が嫌だなと思ったら違う会社に移れますし、あるいは自分で会社を作ることもできますが、彼らは官人しかない。貴族に生まれ