1月22日掲載の「『光る君へ』で話題、平安貴族にお金持ちはいなかった…という意外な事実」で、平安時代の日本にはお金がなかった、という話を書いた。同じように、どの社会でも当たり前に存在していそうで、実は平安時代には存在していなかった、というものが他にもある。たとえば、地方都市だ。 平安時代の日本にあった都市は、首都としての京と、副都としての奈良、あとはせいぜい九州の大宰府くらいなもので、ほかは全部、田舎であった。 2月12日掲載の「平安貴族の収入源とは?彼らの栄華を可能にした“中央集権システム”の本質」で説明したように、この時代は極端な中央集権体制であった。もともと工業や商業が盛んでなかった日本