2023年の1月から13回にわたり「東京23区に古城を訪ねる」シリーズをお送りしてきたが、23区内にはまだ他にも城跡がある。中には、第6回で紹介した渋谷城のような「ガセ城」もあるのだが、今回は確度の高いものをいくつか紹介してみよう。 JR飯田橋駅から北西に5分ほど歩いたところにある筑土八幡神社の境内が、室町時代に上杉氏が築いた城砦の跡と伝わっている。伝承はあやふやで、現在はっきりした遺構も残っていない。 けれども、八幡神社の境内は張り出した台地の先端に当たっている。いかにも要害地形で、小規模な城砦を置くのにふさわしい。三方を急斜面に囲まれた境内を曲輪とし、背後の御殿坂のところを堀切としていたの