珠玉の小説を残した大正時代の作家、芥川龍之介(1892〜1927)の作品の中に、「王朝もの」と呼ばれる一群の短編小説がある。 これらは、『今昔物語集』や『宇治拾遺物語集』といった古典を題材にとった小説だ。代表作の『羅生門』や『鼻』は、中学・高校の国語の教科書で読んだ記憶のある方も多いだろうし、『羅生門』と『藪の中』を基にした黒澤明の映画『羅生門』を想起される方も、少なくないものと思う。「王朝もの」という呼び名からわかるとおり、多くの作品が描くのは、平安時代の人々である。貴族や僧侶を主人公とした作品もあるが、下級官人や庶民、はては盗賊までもが生き生きと描かれる。今年の大河ドラマ『光る君へ』で、ま
『光る君へ』の参考にもなる、改めて読みたい芥川龍之介の「王朝もの」の魅力
平安時代から現代まで、いつも変わらない人間が抱える「生きづらさ」の本質
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