金融政策を遂行する中央銀行と政治との距離は、どこの国でもしばしば議論になる。日本でも日本銀行と政権与党との関係が、さまざまなかたちで報道されてきた。 真実がどうであったか、必ずしも全てが明らかなわけではないが、金融政策運営を巡る判断について、政権与党が明確な意思を発信したことは、過去10年ほどを振り返っても何度もあった。 そもそも日本銀行の「独立性」とは具体的に何を意味しているのか。日本銀行法の第3条第1項には、「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」とある。これは金融政策の独立性を定めているという解釈が日本銀行のホームページに載っている。 また、同じく第5条