2024年1月スタートのNHK大河ドラマ『光る君へ』は、紫式部を中心とした平安時代の物語だ。華やかな十二単に身を包んだ俳優たちの姿に、当時の紫式部も時代の中心として注目を集めていたと思う方も少なくないだろう。 しかし、紫式部が生きた平安時代後半は女性の存在が希薄な時代であった。紫式部ですら、実は本名がはっきりとわかっていない。紫式部とは通称のようなもので名前ではないのだ。また、紫式部が広く評価されるようになったのは彼女の死後である。 そんな平安時代、特に『源氏物語』が生まれるまでの約200年間の平安前期にスポットを当てたのが本書だ。著者は三重県立斎宮歴史博物館学芸員の榎村寛之氏。ほかに『斎宮―
紫式部も清少納言も通称、女性の本名が残らない平安時代はどんな時代だったか
【ブックレビュー】『源氏物語』が生まれるまでの約200年間、「謎の平安前期」とは
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