近年でこそ、賃金上昇は物価上昇を下回り、実質賃金は低下してきたが、果たして、この現象は一般的なことなのか? それとも、海外のように実質賃金は上昇するのが普通なのか? 賃金の流れを把握するためには、貨幣の歴史と結びつけて考えなければならない。貨幣は様々であり、社会状況により、その形態が変化してきたからである。わが国では、一般に銭(ぜに)が使用された時代と、その使用が禁じられた時代があるため、賃金の支払いも銭のみが使用されたとは限らない。 欧州大陸で小麦や家畜などが商品貨幣として使われたのと同じように、わが国でも米や絹などが商品貨幣として使用される時期があった。賃金も、米などの商品による支払いや、
高まる賃上げ期待、長期化する日本の実質賃金低下は歴史的にも異常だったのか
明治期から振り返っても、この四半期は例外的、今後は十年単位での上昇に転じる可能性も
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