LSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミスト)のリカルド・ライス教授は論文で、この3回とも、専門家ほど物価見通しを見誤ったと指摘しています。2021年に高いインフレ率が観測され始めたとき、パウエルFRB議長もラガルドECB総裁も、「インフレは一時的」と繰り返していました。民間エコノミストの多くもそうでした。 一方で、専門家とは逆に、アンケート調査では早い段階から、高インフレが続くと見る家計の割合が増えていったのです。これは日本でも同様で日銀の「生活意識に関するアンケート調査」では、2021年の後半から、物価の上昇を懸念する人の割合が増えていました。 ライス教授によれば、中央銀行がインフレ加速