『源氏物語』は、世界最古の長編小説とされる、“日本古典文学の最高峰”。 天皇の息子(皇子)として生まれた主人公(光源氏)が、さまざまな女君と恋をし、挫折を経験しながらも、成功を手にする物語は波瀾万丈で、千年以上を経た今でも魅力を放つ。 しかしながら、『源氏物語』は難解だ。全54帖もの長大な物語のうえ、主語がわかりづらく、また曖昧な部分が多く、読みこなすのは至難の業……。そう感じているのは、何も現代を生きる私たちだけではない。 というのも、『源氏物語』は成立直後から絵画化が始まったと考えられており、その後も膨大な数の絵画が作られ続けていく。作者・紫式部と同じ時代を生きた人たちも、その後の時代――鎌