前回、教育の「コスト」について解説した。しかし、コストを家計が負担するのか政府が負担するのかを考える上で、教育の「パフォーマンス」が何であるのか理解しないと、この負担割合の議論ができないという問題に直面した。そこで今回は、教育の「パフォーマンス」について解説していく。 そもそも教育に「パフォーマンス(恩恵)」と呼べるものが本当にあるのだろうか? そもそも教育のパフォーマンスはどのように測定するのだろうか。例えば大学教育のパフォーマンスの場合、単純に高卒と大卒のいろいろな側面の差分を比較すれば良いようにも感じられるが、話はそう単純ではない。 高卒と大卒の差分を教育の成果だと捉える立場を「人的資本