朝から30度を超える中、谷中の細い路地を入った奥にその店はあった。7月上旬の開店直後で冷房の設置が間に合っていないという店内で、安藤哲也(60)は来店した客の応対に追われていた。 書店というより本屋といった方がぴったりのその店の名は「Books & Coffee 谷中 TAKIBI」。本を買うと挟まれる栞(しおり)には、「人が集まり、地域や社会を変えるアクションが生まれる“たき火”のような本屋。谷根千エリアに初めて生まれたコレクティブ(共同)シェア型本屋です」とある。 人が5、6人入ればいっぱいになる7坪の空間の一角にはベンチが設けられ、注文すればコーヒーなどを飲めるカフェにもなっている。壁い
書店業界と決別した風雲児が15年ぶりに復帰、開店した「シェア型本屋」とは
連載「だれが本を生かすのか」第1回 安藤哲也の挑戦【前編】
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