直面している苦悩から脱却し、幸せな生活を送るにはどうしたらよいか。 仏教で、「因果」は過去の行いと報いを指し、大乗仏教の学派の一つ瑜伽行唯識学派は、「因果」は人間存在の心の主体である阿頼耶識という潜在意識に蓄えられると説く。 すべての事の発端である、「因」が潜在意識に入ると、将来の結果が生ずるべき「縁」が生じる。「縁」が生じた結果が、あらわれることを「生起」。「因・縁」を示す「因縁生起」を略して「縁起」という。「過去」の出来事のすべての原因には、「縁」があることを釈迦は原始仏教経典『相応部経典』の一節で、「此(これ)に因(よ)りて彼(か)れ有り、此れ無くんば彼れ無し。此れ生ずれば彼れ生じ、此れ