今後、対ドルで日本円がどうなるか、歴史を振り返って考えてみたいと思います。 幕末以降の円相場をみると、1860年から第2次世界大戦が終わるまで、ほぼ一貫して円安傾向が続きました。理由は戦争に次ぐ戦争で軍事費負担が重かったからです。 戦前は金本位制なので、石油やゴムといった軍需関連の原材料輸入が増えて貿易赤字が溜まると、保有している金の持ち高が減って円安になるのです。 1894年の日清戦争後は、平時であっても国家財政の3割超が軍事費に振り向けられたほか、台湾や朝鮮、満州など外地経営にも多額の資金が投入されていました。恒常的な円安体質の中で、20世紀初頭の20数年間は1ドル=2円の固定レートをなん