米WTI原油先物価格は年初来安値圏で推移している(1バレル=70ドル台前半)。 5月4日の時間外取引で一時1バレル=63ドル台と1年5カ月ぶりの安値を付けた後、70ドル台に戻るという値動きの激しい展開となっている。週間ベースで見ると3週連続で下落しており、原油価格への下押し圧力が強まっている感が強い。 中国や米国の景気懸念に加え、ロシアからの原油輸出が予想外に堅調なため、供給過剰が意識されやすい構図となっている。 まず供給サイドの動きを見てみたい。 OPECの主要加盟国は5月から自主的な追加減産に踏み切った。個別に見ると、サウジアラビアが日量50万バレル、イラクが21万バレル、アラブ首長国連邦
世界経済減速が迫る原油市場、OPECプラスは「身を切る」減産を実施できるか
米国の金融不安はこれから本格化、原油価格急落の危険性も
2023.5.12(金)
藤 和彦
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