戦国時代には山城が主流だったが、近世には平城や平山城が主流になった・・・などと、歴史の本にはよく書いてある。だが、この説明は事実に反する。戦後時代には山城も平城もたくさんあったが、近世に入るまでに中小の城が廃城になっていった結果、相対的に平城や平山城が主流になった、というのが真相だ。 同様に歴史の本では、近世になると領国経営に便利な平地に城が移される、などと説明される。その代表例として挙げられるのが、毛利氏の場合だ。毛利元就が本拠とした吉田郡山城は、安芸国の山間部(広島県安芸高田市)にある山城だったが、孫である輝元の代に太田川河口部のデルタ地帯に広島城を築いて、本拠を移転している。では、平地の