今年(2022年)4月から5月にかけ、筆者は上海市全域で行われた都市封鎖に巻き込まれる形で、2カ月にも及ぶ軟禁生活を送る羽目となりました。この間、買い物はおろか外出すらほぼままならず、自由のない生活はかくも辛いものかと、神経をすり減らす毎日を送りました。 そんな監獄のような日々において、筆者は、ある旧陸軍軍人の活躍を何度となく思い起こしていました。その軍人とは、義和団事件(1900年)に際し、北京で約2カ月間にも及ぶ籠城戦を戦い抜いた柴五郎(しば・ごろう、1860~1945年)です。 柴五郎はペリーの来航(1853年)から7年後の1860年、会津藩の上級藩士である柴家にて、その「五郎」という名