参院選の投開票から1カ月、岸田文雄首相が8月10日、内閣改造・党役員人事を断行した。急転直下の改造人事はなぜ行われたのか。旧統一教会の問題の早期収拾が最大の理由との見方が多いが、筆者は安倍晋三元首相の国葬(国葬儀)への不評が大きく影響したとみている。「検討」が持ち味の岸田首相が、リスクの高い人事前倒しという重大決断を下したのは8月2日と推測される。岸田首相は7月31日、米ニューヨークの国連本部で開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席するため、羽田空港を発った。この時点で改造人事断行の気配も空気も一切ない。 8月1日、日経新聞と共同通信の世論調査結果が明らかになった。注目すべきは、国葬