「泰平の眠りをさます上喜撰たった四盃で夜も寝られず」 これは「上喜撰の茶をたった四杯飲めば夜が眠れない」と 上喜撰(じょうきせん)=蒸気船 である黒船が、四杯=四隻現れて、その不安から夜も眠れないというのを掛けた狂歌である。 アメリカ東印度艦隊司令長官海軍代将マシャウ・カールブレース・ペリー(1794-1858)は嘉永6年(1853)黒船4隻を引き連れて、江戸に近い浦賀沖に姿を現わした。 それを見た人々は右往左往の大混乱に陥った。ペリーの艦隊が江戸湾を北上して羽田沖に停泊すると、黒船が江戸の町を砲撃するという噂が広まった。 この軍艦の脅威を背景に幕府はペリーに開国を迫られ、翌年の安政元年(185