地方に住んでみたいけど、どうせ魅力的な仕事なんかないし──。 多くの現役世代に地方移住を躊躇させる、この「なりわい」という最大にして最強のハードル。ラスボスとも言うべきその難敵に対し、「もしかしてこの武器、多少は使えるんじゃない?」とポテンシャルを感じたのが、「師匠と弟子」という関係性だ。 そう考えるに至ったのは、ここ岐阜県本巣市で出会った二人の長老の存在だった。 まずはその一人、林仁武さん(88)。17歳から農業に携わり始めたという、この道70年の大ベテランだ。 林さんに初めてお会いしたのは2021年5月。ちょうど、協力隊に着任して1カ月が過ぎたころだった。 遊休状態の農地を再生した先に、そ