治承4年(1180)12月12日、鎌倉は晴天に恵まれ、由比ヶ浜には静かな波が寄せていた。夜に入って、頼朝はそれまで仮住まいしていた上総介広常の屋敷を出て、ようやく完成した新しい御所に入った。