2023年8月、栃木県宇都宮市でLRT(Light Rail Transit、次世代型路面電車)が開業した(運営は宇都宮ライトレール株式会社)。「ライトライン」という愛称がついたLRTは、JR宇都宮駅から中心市街地とは反対の東側、芳賀町までの約15キロを結ぶ。隈研吾氏がデザインした東口交流拠点の広場横をゆったりと通り、これまで全くにぎわいのなかった駅東口、そしてその沿線の光景を大きく変えた。鉄軌道のなかった場所に一からLRTを新設する、日本初の試みである。以下、その経緯と概要、そしてその効果や今後の課題を追ってみよう。 宇都宮市は人口51万人、栃木県の県庁所在地である。街の発展とともに環状道路