11月1日の米WTI原油先物価格は前日比0.58ドル安の1バレル=80.44ドルで引けた。3日連続で下落し、終値としては2カ月超ぶりの安値を付けた。10月上旬以降の原油高が帳消しになった形だ。中東情勢の緊迫化は続いているものの、「中東地域からの原油供給が減少する」との懸念が後退していることが主な要因だ。 今後、原油価格はどのように推移するのだろうか。世界の原油市場の需給状況を見た上で、中東地域の地政学リスクについても考えてみたい。 石油輸出国機構(OPEC)の10月の原油生産量は前月比18万バレル増の日量2790万バレルだった。サウジアラビアなどが自主減産を続けているが、ナイジェリアやアンゴラ