ウクライナとの戦争の膠着を受けて、ロシアは軍事部門に割り当てるヒト・モノ・カネの量を一段と増やしている。 まずヒトに関しては、今年の秋の徴兵で前年比1万人増となる13万人を動員することになった。ロシア政府は2026年までに、軍の兵力を現在から3割増となる150万人まで引き上げることを計画している。来年からは、徴兵の対象年齢の上限が現行の27歳から30歳へと3歳引き上げられる。 こうした徴兵強化の結果、ロシアでは人手不足が深刻化すると予想される。ロシアの失業率(図表1)はすでに歴史的な低水準だが、これは景気の堅調を反映した現象ではなく、若者の徴兵や国外逃亡に伴い人手不足が慢性化したことを反映した