欧州中央銀行(ECB)は9月14日の政策理事会で、史上初となる10会合連続の利上げを決定した。これにより、預金ファシリティ金利は4.00%へ、主要リファイナンスオペ(MRO)金利は4.50%へ、限界貸出ファシリティ金利は4.75%引き上げられた。預金ファシリティ金利については過去最高水準になる。 後述する通り、利上げとともに事実上の「利上げ停止宣言」が付されており、今後は本当に停止できるか否かが問われるだろう。 筆者はユーロ圏の経済・金融情勢を踏まえれば、今回の会合では利上げ見送りの公算が大きいと予想していた。より厳密に言えば、中銀としては利上げを選ぶ方が正しそうだが、7月声明文でハト派色を強