前回は日本の最新式戦車である「10式(ひとまるしき)」戦車の開発全般について記述した。本稿では列国の主力戦車と比較しながら10式戦車の現状について述べてみたい。 まず10式戦車と列国の主力戦車の性能諸元は次の通りである。M1A2は米国の「M1エイブラムス」、「レオパルト2」はドイツ、「ルクレール」はフランス、「チャレンジャー」は英国の各戦車である。 下の表の中で、SBとは滑腔砲(Smooth-bore)、Gは施条砲(Gun)のこと。 主要項目を比較してみたい。 列国とも砲の直径に差はない。しかしながら、砲身の長さ(砲の直径×口径=口径長という)に差がある。 口径長が長ければ長いほど高初速の徹甲