ユーロ圏の経済・物価情勢を占う指標が7月31日に相次いで発表された。 まず、ユーロ圏7月消費者物価指数(HICP、速報値)は前年比+5.3%(以下特に明記しない限り前年比)まで鈍化し、ピークだった昨年10月(+10.6%)からちょうど伸び幅が半減した(図表①)。【図表①】 前月の+5.5%から減速傾向が継続しているが、引き続きエネルギー価格の下落を受けた動きだ。エネルギー価格の下げ幅は前月の▲5.6%から今月は▲6.1%へと拡大しており、全体に対する寄与度も▲0.6%ポイントと相応に大きい(マイナス寄与はエネルギーだけ)。 域内の生活水準を大きく切り下げていると言われてきた食品、アルコール・タ