「黒幕」と聞いて、どんな人物が思い浮かぶだろうか。あの政治家? あの官僚? それともあの母親か、あの妻か? 本書では「ウラからオモテを操った人物」「重要な役割を果たしたが、影に隠れた存在」として16人の「黒幕」が登場する。「そもそも黒幕って英語で何ていうんだろう、って調べたことがあるんです。すると、然るべき言葉が何もなかった。日本ではフィクサー、っていう言い方もよくされますが、これも辞書では『取り付け屋』とか『八百長などを行う人』といった程度の意味しかない。黒幕っていうのは、日本的な言い方だったんですよね」「黒幕」を切り口にすることで、日本的な権力のあり方が見えてくれば面白いはず。本郷さんの『黒