筆者は「ヤクザ博士」と呼ばれて久しい。しかし筆者は、テキヤ(=露天商)の経験はあるが、ヤクザの経験はない。テキヤ経験者である筆者が残念に思うのが、神社の祭りを盛り上げる名人であるテキヤを、グレー視する官の眼差しである。 筆者の体感では、テキヤをグレー視するのは官だけだ。一般の人たちには、そうした傾向はみられない。会社員が社長以下社員一同で初詣をし、テキヤの茶店で一杯飲んでいくなどという光景はザラである。 ただ、そうはいっても、官の視座は、やがて一般の人たちに共有されかねない。そこで、筆者は、現状をテキヤの人たちはどのように感じ、今後はどうしてゆくつもりなのかという点につき、東京の下町で一世紀以