いま欧州は、ロシアの石油、ガス、石炭を代替供給源に置き換えることに躍起になっている。 ロシアによるウクライナ侵攻のわずか3カ月前にスコットランドのグラスゴーで開かれた国連の第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)において、欧州の主要国が表明したCO2ゼロの公約は、意味をなさないものになっている。昨年来エネルギー不足と価格高騰に悩まされていた国々が、ロシアの暴走に直面し、エネルギー安全保障の問題が再燃した。 冷戦終結後の数十年間、世界は安定し、エネルギーは容易に手に入った。このせいで、現代社会にとって豊富なエネルギーがいかに重要であるか、多くの人は忘れ去っていた。そして脱炭素ブームが起き
ウクライナ戦争で世界のCO2削減はかえって進む
エネルギー安保の要請で、空想的な温暖化対策は終焉し現実的な対策へ
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